2020.03.20
BMWのガソリンはハイオクのみ?レギュラーがNGの理由とは
ヤナセBMWの山崎です。
BMWのガソリンエンジン仕様車はハイオクガソリン指定です。
ハイオクはちょっと割高なので「もし大丈夫ならレギュラーを入れたい」「軽油はだめなのだろうか」と思う方もいるでしょう。
でも、ちょっと待ってください。
なぜハイオクガソリン指定なのか、そこにはちゃんとした理由があります。
BMWがハイオクガソリンを指定している理由や、もしレギュラーを入れた場合どうなるかなど、ぜひ知っておいてほしい知識をご紹介します。
BMWのガソリンエンジン車が「ハイオク」指定なのはなぜ?
まず、ハイオクガソリンとレギュラーガソリンの違いはご存知ですか?
ハイオクガソリンとレギュラーガソリンの一番の違いは「オクタン価」というガソリンの品質を表す数値の差です。
オクタン価が高いほど、自己着火しづらいという傾向にあります。
ちなみに、日本で売られているガソリンのオクタン価はJIS規格で決まっています。
- オクタン価が89以上のもの:レギュラー
- オクタン価が96以上のもの:ハイオク
エンジンはガソリンを内部で燃やし、その熱を動力に変えて車を動かします。
ハイオクガソリンはレギュラーガソリンに比べると自己着火しづらいものの、燃焼したときに生み出す力は大きなものとなります。
そのため、瞬発力や加速の良さを求められるBMWの車両において、ガソリンエンジンを使用するものはハイオクガソリン指定となっています。
※基本的にモデル名がxxxi(例:118i)となっているのはハイオクガソリン、xxxd(例:523d ツーリング)となっているのは軽油です。
ハイオク指定のBMWにレギュラーガソリンや軽油を入れるのはNG!
BMWの車両がハイオク仕様になっていることはご理解いただけたと思いますが、ハイオク仕様車にレギュラーガソリンを入れてはダメなのでしょうか。
ズバリ、原則「ハイオク仕様車にはハイオクガソリンを」というのがメーカーの見解です。
これには「ノッキング」の起こりやすさが関係してきます。
レギュラーガソリンをハイオク仕様車に入れると「ノッキング」しやすい
「ノッキング」はその名の通り、コツコツという音がエンジン内部から発生する事象を指し、原因は「ガソリンの異常燃焼」です。
過剰に熱が発生することでコツコツまたはカリカリという異音と共に振動なども発生し、エンジン内部は高熱を帯びます。
そのためノッキングしやすい状況が続くと、エンジン内部の破損にもつながりかねないのです。
エンジンは、ノッキングが起こらないギリギリくらいが一番パワーを発揮します。
そのため、きちんとハイオクガソリンを入れていてもノッキングが全く起こらないわけではありません。
ギリギリの状態で、エンジンについているエンジンコンピューターが燃焼率を制御しているのです。
しかし、前提としてハイオクガソリンを入れた場合に的確に制御できる設計であるため、レギュラーガソリンを入れると、想定より小さな爆発が過剰に起きてしまいます。
結果として、十分な動力がないのにエンジン内に熱がこもってしまう=ノッキングとなるのです。
レギュラーガソリンをハイオク仕様車に入れても故障しないは都市伝説?
一方で、レギュラーガソリンをハイオク仕様車に入れても故障しない、というレビューもよく聞きます。
日本のガソリンは純度が高く、レギュラーガソリンによる異常燃焼は起きにくい=だから安いレギュラーでいいのでは?というお気持ちもわかります。
たとえば山道でガス欠になり、緊急避難的に他の車両からレギュラーガソリンを入れたとしても、即故障はしません。
とはいえ、何度も繰り返せば先ほどのノッキングの問題はどうしても残ります。
あくまでBMWの走行性能を十分に堪能したいなら、ハイオクガソリン使用が前提。
レギュラーガソリンを使用したことが原因でエンジン部分の故障があった場合、保証の対象外となる可能性もあります。
注意:軽油はガソリン仕様車に絶対NG!
なお、レギュラー・ハイオクを問わず、ガソリン仕様車に軽油は絶対NGです。
燃料から動力を得るための構造自体が違っていますので、ガソリン仕様車の燃焼方法で軽油を加熱すると、ハイオク仕様車にレギュラーガソリンを入れた際をはるかに越えた異常燃焼が起こり、エンジンルームから黒煙が上がります。
それでも気づかず走行してしまうとついにエンジン停止する事となります。
こうなってしまうと、中古のエンジンに載せ替えたとしても修理代は数十万はかかります。
- ガソリン仕様車に軽油は入れない
- 万が一入れてしまったら、ただちに整備工場で燃料を抜き洗浄してもらう
ガソリンエンジンのBMWに乗る際は、ぜひハイオクガソリンを使ってくださいね。
BMWで燃料代が気になるなら、ディーゼルエンジンという選択肢も!
燃料代を比較して、ディーゼルエンジン仕様の車両を選択するというのも一つの方法です。
ガソリン仕様車とディーゼル仕様車の違いは「燃料がガソリンと軽油(ディーゼル)の違い」だけでなく、そもそもエンジンの燃焼工程が違うのです。
- ガソリンエンジン:ガソリンを燃焼=小さな爆発を起こしてその熱を動力に変える
- ディーゼルエンジン:圧縮されて高温となった空気に燃料を噴射して燃やし動力に変える
基本的なエンジン自体の構造は一緒ですが、ガソリンエンジンはガソリンに点火して熱を出すという工程が一つ多く必要になります。
その点、ディーゼルエンジンは空気を圧縮し軽油と合わせることで発火します。
ディーゼルエンジンを動かすための軽油はレギュラーガソリンよりさらに燃焼しやすく、安定した動力を得られやすいことが利点となります。
環境への配慮などから世界的にガソリン仕様車が増えていますが、環境性能を意識したディーゼル仕様車も開発され続けています。
やはりディーゼルエンジンならではのパワーの違いは魅力の一つですよね。
たとえば、BMW3シリーズセダンの「320i」と「320d xDrive」で見ると、次のような違いがあります。(2020年1月時点)
基本的なエンジンの能力は一緒でも、動力となる燃料の違いでこれだけの違いがあり、やはりディーゼルエンジンは燃費もよいのが特徴です。
軽油は空気汚染に関するCO2などの排気が気になるという意見もごもっとですが、現在の軽油は純度が高くなっており、車両自体もエコカー対象となるクリーンディーゼルエンジン仕様の切り替わっているので安心です。
ただし、エンジンの機構上、ディーゼルエンジン仕様の車両本体価格は数十万ほど高めにはなっています。
BMWはハイオクガソリンを!正しく入れることで車の性能を堪能できる
ガソリン・軽油はそれぞれエンジンを的確に動かすために指定されており、単に安いから他の物をいれてよ良いとはなりません。
裏を返せば指定通りの燃料を使用することで、メーカーが意図した車の性能を、ドライバーご自身でも堪能できることになります。
もちろん走行性の問題だけでなく、故障・事故の元にもなりかねません。
BMWに乗る際は、ぜひ正しい燃料を選択して快適ドライブに出かけてくださいね!
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