2021.04.15
BMWのキドニーグリルとは?意味や歴史、メンテナンスまで詳しく!
ヤナセBMWの増田です。
BMWのまさに「顔」ともいえる「キドニー・グリル」は、他の追随を許さない存在感を誇り、「キドニー・グリル」を見かけただけでBMWの風格を感じさせます。
他のメーカーの車両にもフロント・グリルは採用されていますが、キドニー・グリルの個性はまた異なったものとなり、デザインの違いだけでなく走行感に寄与している部分もあります。
今回は「キドニー・グリル」の意味や歴史、メンテナンス方法までご紹介します。
BMWのキドニー・グリルとは?一般的なフロント・グリルとどう違う?
キドニー・グリルについてお話する前に、自動車には不可欠なパーツ「フロント・グリル」について簡単に触れておきましょう。
フロント・グリルは冷却効果をもたらすパーツ
フロント・グリルはその名の通り車両の前面に位置し、網目状の金属でできたパーツです。
フロント・グリルを網目状にすることで外気とエンジン・ルームの空気の流れを作り、エンジンやラジエーターを冷却する意味合いを持ちます。
そのため「ラジエーター・グリル」と呼ばれることも。
空気の通り道を作ることや庫内を冷やすことが本来の目的でしたが、時代とともにその機能美を活かしつつ、車両の個性を明示させるような高いデザインを兼ね備えたフロント・グリルへ進化しています。
BMWのキドニー・グリルの個性
BMWの市販現行モデルはすべて「キドニー・グリル」を搭載しています。
「キドニー」は腎臓を意味し「グリル」は網目状の金属を指します。
一般的なフロント・グリルは横一文字でフロントマスクにシャープな印象を与えるのに対し、BMWのキドニー・グリルはもともとの目的を果たしつつ、左右対称の少々幅広なデザインを搭載。
左右のキドニー・グリルの中心にはBMWのエンブレムが鎮座し、他にはない個性を放つデザイン性を兼ね備えました。
現在のキドニー・グリルは時流に乗る横長タイプと空気の流れを効率化し、モータースポーツでも活躍できる縦長タイプに二分されます。
そして、ガソリン・エンジン/ディーゼル・エンジンのように、エンジン・ルームを冷却する必要がない「BMW i3」などにも、もちろんキドニー・グリルは搭載されています。
単なる冷却パーツではなく、フロントマスクをひと目見ただけでBMWの車両であると認識できる、確固たるアイコンとして存在感を知らしめるものとなりました。
BMWのキドニーグリル、現在までの歴史やモデルごとの特徴とは
キドニー・グリルのスタートは1933年。
その前身を航空機メーカーであったBMWで初のオリジナル四輪車となる「303」に採用されてから現在に至るまで、その形状にアレンジを加えつつも引き継がれる「BMWらしさ」の一つです。
1970年代にはスポーツカーブームがあり、1978年登場の「M1」のキドニー・グリルは正方形にほど近く、シンプルなものに変わったこともあります。
その後、1980年代中盤以降はセダンおよびクーペのモデル中心の新台開発がさらに活性化し、シャープな横長のキドニー・グリルが増えることとなりました。
現在でも横長デザインのキドニー・グリルと縦長デザインのキドニー・グリルが存在し、丸みを帯びたデザインや角張ったデザインなど、シリーズやモデルごとのイメージを具現化するのに寄与しています。
キドニー・グリルの形状「横長系・縦長系」のそれぞれの特徴やモデル
同じモデルの車両でも時代によってキドニー・グリルの形状が変わりますが、現時点では同世代/同モデルのキドニー・グリルは同型のものを採用しています。
横長系デザイン
横長系デザインはBMWにおいても現在の主力タイプとなり、多くのモデルで採用されています。
1・2・3シリーズ、5シリーズは比較的似た形状となり、左右の下辺が切り取られた形状をしています。
一方、X2のように上辺が切り取られたキドニー・グリルもあります。
いずれにしても、現在の横長系キドニー・グリルに共通しているのが、左右に張り出した五角形となっており、その上辺がヘッドライトと一体感を持つように配置されているという点でしょう。
例外として、8シリーズは下辺からヘッドライトの下部までつながるよう意識されたデザインとなっており、これには車高をより低く見せ、ラグジュアリー・スポーツ・カーの存在感を知らしめるのに一役買っています。
縦長系デザイン
BMWのキドニー・グリルはもともと丸みを帯びたボンネットから流れるように設計されており、現在と比較するとかなり縦長デザインといえます。
ボディの形状の流行とともに、キドニー・グリルは横長へ変化していきましたが、最近のモデルでも縦長のキドニー・グリルは存在します。
2021年にリニューアルされた、M3/M4をイメージするとわかりやすいでしょう。
また、4シリーズは比較的、縦長のキドニー・グリルを採用しています。
これらは競合の多いボディサイズでありながら、そのインパクトをより強堅なものとすることをデザインの背景としています。
また、縦長モデルとして特筆すべきなのは、電気自動車/プラグイン・ハイブリット仕様車にもキドニー・グリルが採用されていることでしょう。
本来、キドニー・グリルはエンジン・ルームやラジエーターを冷却するためのパーツですから、厳密にいえば電気自動車には必要ではありません。
しかし、2021年発売が予定されている「BMW iX」では、それまでのラインナップでも類を見ないほどの大型キドニー・グリルを採用しています。
キドニー・グリルはこれからもBMWを象徴するアイコンとして、確立させていくことでしょう。
BMWのキドニー・グリルのメンテナンスやカスタマイズのときには
キドニー・グリルは毎日の走行で風を庫内に送り込むことを想定していますので、粉塵はもちろんのこと、雨水の水跡など様々な汚れも内側に取り込まれる可能性があります。
定期的にメンテナンスすることで、フロントの印象も随分変わります。
また、お好みに合わせてキドニー・グリルを交換することも可能!
その他にもLEDを取り付けて華やかにしたり、ブラックのスプレーを購入して塗装するなどのカスタマイズをする方もいるようです。
ここでは詳しい日常のメンテナンス方法や、取り外しての清掃や交換の方法をご紹介します。
日々のメンテナンス方法
キドニー・グリルの日々のメンテナンスは、汚れを落とすことを目的とします。
1)柔らかい布で正面から届く部分の汚れを拭き取ります。
2)隙間は塗装用のスポンジブラシや水筒用のスポンジブラシなど細い柄がついており、スポンジ部分も細く、硬すぎないものを使用。軽く湿らせて、埃や汚れを拭き取ります。
3)仕上げに撥水効果のあるスプレーなどを使用して終わりです。
キドニー・グリルを取り外して清掃や交換をするなら
定期的にメンテナンスをしていても、虫や水垢がこびりついて取れないことがあります。
また、カスタムパーツに変更したいと思う方もいるでしょう。
キドニー・グリルは、プロでなくともコツを掴めば外して丸洗いすることも可能です。
ただしビスではなくツメで引っかかっているので、無理に外そうとするとツメが折れ、不安定になってしまうので注意が必要です。
準備:フロント部分やキドニー・グリルの角などに傷がつかないよう、養生(マスキング)します。
1)ボンネットを開け、バンパー上のゴム(ストリップ)を外す
2)トルクスのビスを外す
3)バンパーを引き出し、キドニー・グリルとの間に手が入るほどの隙間を作る
4)本体からツメを一つずつ外し、キドニー・グリルを取り外す
5)キドニー・グリルを清掃or新品に取り替え、ツメを一つずつ留める
6)養生を外し、バンパーを元の位置に戻す
7)トルクスのビス/ストリップを戻す
キドニー・グリルはメッキカバー部分と格子部に分かれますので、必要に応じてお湯の中で漬け洗いするとよりきれいになります。
せっかく洗浄をしても、洗い残しや拭きもれがないように注意しましょう。
また、慣れないうちはバンパーの移動をさせながらツメを外すのがとても大変。
無理せず2人で作業を行い、一人はバンパーのホールド、一人は取り外しを行うことをオススメします。
何度か作業をしていくと、洗浄の時間を入れても1時間もかからなくなりますよ。
BMWのキドニー・グリルは個性を表現する重要なパーツ
キドニー・グリルはBMWの個性を知らしめるのに余りあるほどの個性を放つ、フロントマスクの印象を決める一つの要素となる重要なパーツです。
時代の流れやモデル・コンセプトに応じて形状を変えつつも、BMWの車両であるという存在感があふれるブランド・アイコンとして周知されています。
そんなキドニー・グリルも、きれいにメンテナンスしておかなければ魅力半減。
できるだけ汚れが残る前に、こまめにきれいにしておきましょう。
洗浄のコツがわからなくなったら、ぜひお近くのショールームでお尋ねくださいね!
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